みかづきの色々

デバイス(スマホからキャンプ用品まで)とかプログラミングとか中心のいろいろ試験的なブログ。

沙耶の唄 の感想

発売からもう十年以上たっている古い作品だが、ちょっとクトゥルー繋がりで読みたくなり、ニトロプラスのノベルゲー『沙耶の唄』をプレイしました。

本作は同人ゲーでもあまり見たことないほどに短い。普通に考えたら最低の酷評をされるかもってくらいに。
ただし内容は強烈無比。いわゆるグロ注意作品。カニバリズムがダメな人、グロ耐性のない人には断じておすすめしかねる、とんでもない怪作である。
しかし、それらが何とかなるって人にはたぶん、すばらしい読後が待っているだろう。

なお以降はネタバレである。



攻略など無用という話を聞いていたので、本能の赴くままにプレイしてみた。
確かに選択肢など無きに等しいうえに、わずかにある選択肢も、そっちを選べばどうなるかなんて考えるまでもない。だから確かに説明は無用だった。選択肢は以上の二箇所で現れる。

1.主人公最大の問題について、解決策が示された時。
2.最終決戦直前。

1で事態の解決を選ぶと、たぶん主人公は普通の生活に戻れるのだと思う。ただしそれをやってしまうと、どうも主人公唯一の理解者であるヒロインを失う事になってしまう事も、読者にはありありとわかる。
つまり、彼女をとるか元の生活に戻るかの二者択一なわけだ。
僕はここで、もう元には戻らない暮らしを選んだ。彼女を失いたくなかったからだ。

2は、元親友であり最大の敵である男の行動を決める事になるが、これも、ここまで読んできた人なら理解できない人はいないだろう。
僕の場合、ここで男を孤立無援にする道を選んだ。
主人公たちの旅路を祝福したいけど、読者である僕らには選択肢くらいしか助ける方法がない。だから彼の敵が力を集めないようにしたわけだ。

そして二人の愛は成就する事になった。

いやぁ、それは短いけどいい作品です。
とても第三者にはオススメできない。できないけど、グロ耐性を持ちつつ真摯なラブストーリーで涙できるあなたに、本作を薦めたい。
切なさ炸裂でしたわ……。

……いや、だってさ。
なんでもない主人公の会話で、ヒロインが好物のスペアリブをパクついてるシーンが出てくるのだけどさ。
立ち絵こそないけど、そのスペアリブって材料は……ですから、ええ。
テキストでもはっきり言及されてますから、ええ。
(ちなみに、冷蔵庫のチルドで解凍中の食材描写はちゃんと出てきます、ええ)
主人公もおいしいねって食べてますから、ええ。